東京03リモート単独「隔たってるね。」の話

東京03がリモートで単独ライブを行なった。

その完成度があまりに高くて衝撃的だった。

とてもじゃないが本格始動から10日後とは思えない。

普段劇場で見ている単独となんの遜色なく興奮したリモート単独だった。

 

 

 東京03の単独では単独だからこその醍醐味を味わうことができる。

そのひとつがリンクネタ。

テレビでは5分程度の尺がほとんどだが、単独では何本もネタが出来るため、ある仕掛けが施される。

ネタ中のワードや人物、物などが別のネタでも登場するのだ。

ネタとネタがつながった時の興奮は言葉では言い表せられず、伏線大好きおたくの性癖ピンポンをがっつり連打する。

 

今回リモート単独でもリンクしている部分が入っていた。

それだけではない。幕間VTR、角ちゃんの歌う主題歌やエンディング……

いつも03の単独で楽しみにしているものがすべて入っていた。

リモートを題材にしたコントをするのではなく、リモートという構造を活用してコントしており、さすが日本一の称号を持つトリオだと感激した。

 

 

コロナ禍でエンタメ業界は大打撃を受けた。

お笑いも例外ではなく、公演は中止、劇場も閉鎖となってしまった。

ネタやトーク、企画を配信する芸人さんが一気に増え、それはとてもありがたい一方で、分割画面には少々飽きてしまったというのが正直な気持ちだ。

東京03のリモート単独もそれぞれ自宅から配信しているので画面は見慣れた3分割。

しかしここまで完成度の高いネタ、こだわり抜かれた映像や音楽、装置を見せられると、まだリモートのおもしろみには可能性があると感動した。

 

 

リモート単独のきっかけはコロナで仕事が減り、時間のある飯塚さんがリモートコントを書き始めたところからはじまった。

そこへ作家のオークラさん、音楽のカンケさん、ドラムのGentle Forest Jazz Band松下さん、美術のニイルセンさん等頼もしすぎるいつメンスタッフ・サポート陣が集結し開催。

他にもきっとたくさんの人が携わっており、例えば後輩芸人の作った装置のおかげで暗幕がわりに用いられたタイトルフリップをスムーズにスライドさせることが出来ていた。

コントに情熱を注ぎ続ける東京03のこだわりを全力で支えるスタッフ陣。

どんな状況でも自分たちのおもしろいものを、お客さんに楽しんでもらえるものを届けるぞという逞しさを感じた。

こんなにも豪華な配信が無料、しかも今なおYouTubeアーカイブが公開されているというのだから意味が分からない。お金払わせてほしい。

 

 

終演後の打ち上げで繰り返し観客へ向けてお礼の言葉を伝える3人だったが、もう本当にこちらのセリフなので取らないでいただきたい。

もしまだ見てない方がいたらぜひに。

角ちゃんはこういう場面で画面が固まってしまう星の元に生まれてこられた方なのだが、電波は最後まで安定していたという奇跡にも立ち会うことができる。

 

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